幼い子供を連れて横断歩道を渡るとき、私たちは子供に「信号をよく見て、青になったら渡るんだよ」と言い聞かせます。ところが、その信号機を子供の目の高さから見上げてみると、肝心の信号の位置が高すぎて子供たちの目からは見えづらい場合があるのです。

 私たちが暮らす社会は、大人たちが大人の尺度で考え、かたちづくってきたもの。そんな社会で幼い子供を育て、正しく教育していくには、何よりもまず子供の視点に立ち戻り、子供の立場で物事を考えていかなければなりません。たとえば、子供同士がケンカを始めた場合、頭ごなしに叱ったのでは、子供たちの心にわだかまりが残るはず。なぜケンカをするに至ったのかそれぞれの気持ちを語らせることで、お互いを理解させ、相手を思いやれるよう導くことが大切です。特に3〜5歳という幼児期の物的・人的環境や体験、見聞は、その後の人間形成に多大な影響を及ぼす可能性があります。人間としての道徳観や行動力、感受性などは、幼いこの時期から培われていくものなのです。

 そこで本学園では、文部省の幼稚園教育要領の基本方針に基づきながら、園児の視点と主体性を重視した弾力的な指導を展開。遊びや礼法を取り入れた授業や行事、園児との直接的なふれあいのなかで、ひとりひとりの適性や能力、可能性を鋭く把握し、心身共に調和のとれた人間育成を促しています。また、各家庭から園児を預かり、正しく教育する責任から、教師個々の能力的・人間的な育成も重視。そうした双方向の育成体制により、教師・園児・家族が共に信頼し、成長できる、理想の環境をめざしています。

 

 

 

 

 

 


 


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